かくれ外反母趾
かくれ外反母趾
かくれ肥満・かくれ高血圧といろいろな健康に関しての『かくれ~』がクローズアップされていますが、実は外反母趾にも『かくれ外反母趾』があります。
『かくれ外反母趾』は外見上の親指の曲がりは目立ちませんが、外反母趾と同じように親指のつけ根に痛みが出ます。
『かくれ外反母趾』は次のような特徴や症状があります。
1.外反母趾角(親指の曲がり)が15度以下
2.親指のつけ根を横から見ると太く腫れている
3.靴に当たっていないのに長時間歩くと痛くなる
4.帰宅後、靴を履いていないのに痛む
5.歩いている時はそうでもないがスポーツをすると痛む
この『かくれ外反母趾』も外反母趾予備軍であることには違いなく、原因はもちろん悪い歩き方にあります。
私の臨床経験上ですが、『かくれ外反母趾』は思春期の女の子に多くみられ、痛みを我慢しながら学校生活を送っている子も少なくないようです。
子どもの頃から悪い歩き方をしていると、親指のつけ根にストレスが蓄積されていきますが、当初の数年間は痛みが発症しません。
それが中学や高校生になると生活が一変して、通学時間・体育の授業・部活など全ての活動がレベルアップされることで親指のつけ根にはさらにストレスが加わります。
その結果、通学時や運動時に今までなかった親指のつけ根の痛みが出るようになります。
そのため、一般の医療機関では足の使い過ぎが原因とされているケースも少なくありません。
『かくれ外反母趾』は病院で診察を受けても湿布や痛み止めが処方されるのがほとんどのようです。
なぜなら、親指の曲りが少ないので外反母趾とは診断されず、歩き方をチェックしなければ原因が分からないからです。
中には外反母趾と診断されるケースもありますが、まだ変形が軽度なため様子をみるか、インソールや靴の処方が行われています。
『かくれ外反母趾』は運動を休めば痛みは一時的に改善しますが、日常生活の歩行ストレスは減らないため、運動を再開すれば痛みが再発します。
指を使わずに指のつけ根で体重を支えて歩いている習慣があるため、親指のつけ根にストレスが溜まり痛みにつながっています。
根本的な原因である悪い歩き方から改善させないと、『かくれ外反母趾』は改善には至りません。
外反母趾研究所 代表 古屋 達司