外反母趾の原因
外反母趾の原因
外反母趾の本当の原因をひと言で表現するのなら悪い歩き方をしているからと言えるでしょう。
あまりにシンプル過ぎるので、外反母趾の治療法ついて今までこの点が見落とされていて外反母趾=ハイヒールが原因というイメージが強いため、靴だけに注意が向けられてきました。
外反母趾は『悪い歩き方』という生活習慣により足が退化して機能が損なわれ発症した、いわゆる足の生活習慣病です。
ですから、 装具・テーピング・サポーター・インソール・外反母趾対策の靴を使用しても、指を使って歩かなければ外反母趾の痛みや変形の根本的な改善には至りません。
外反母趾の原因となる『悪い歩き方』は足裏の体重移動が指のつけ根で止まっています。
外反母趾・内反小趾・浮き指・開張足などの変形は、指に関係する筋肉が退化した結果です。
また、指のつけ根にストレスが蓄積されれので、痛みが出たりタコや魚の目ができたりします。
これに加えて踵からではなく足裏から接地してしまうと、足底筋膜などの足裏の軟部組織や指のつけ根に地面からの衝撃ストレスが蓄積されていきます。
ですから、外反母趾の方が毎日1万歩ウォーキングしていたとしても、足裏から接地して指のつけ根で体重を支えて歩いていれば、かえって足を壊していることになります!
『健康のために歩きましょう』とよく言われますが、歩き方を間違えてむやみに歩くと、逆に健康を害する結果となってしまいます。
注意しなければいけないのは、自己流で歩き方を変えてしまうことです。
自己流で指に力を入れて歩いてしまうと逆に足のトラブルの原因になってしまいます。
また、巷で言われている『指で地面蹴るように・掴むように歩く』ことを指に力を入れて実践すると、かえって足を痛めてしまいます。
今すぐにこちらの『足のトラブル50チェックテスト』であなたの足のトラブル度を確認してください。
外反母趾研究所は外反母趾変形の大きな原因は、『悪い歩き方』による親指を含めた足部の筋力低下と、親指への継続した外反(小指)方向への圧迫という2つのメカニズムにあると考えています。
メカニズム1. 親指を含めた足部の筋力低下
『悪い歩き方』を続けていると、足の横アーチの構成に関与する筋肉が衰えることによって横アーチが徐々に崩れて足の横幅が広がり開張足になります。
足の横幅が広がると、親指の骨は付着する筋肉に外反(小指)方向へ引っ張られるため、親指は徐々に曲がって変形が進行していきます。
メカニズム2. 親指への継続した外反(小指)方向への圧迫
外反母趾になる方は親指の腹の部分ではなく、つけ根の部分で地面を蹴り出すように歩いています。
そのため、歩行の最後に足部が縦アーチを潰すように内側に捻じれるため、親指の側面は常に地面から外反方向へ圧力を受けるようになります。
体重を支える仕事をしない親指は筋力が低下しているため、この外反方向への継続した圧力に逆らえず、徐々に外反変形が進行していきます。
※足部が縦アーチを潰すように内側に捻じれる状態を医学用語では過回内(かかいない)と呼んでいます。
欧米の足病学では過回内が外反母趾の原因と提唱していますが、外反母趾になる足の全てが先天的な過回内の形状にはなっていません。
外反母趾研究所では外反母趾の共通項は『悪い歩き方』にあり、その結果、二次的に誘発されて過回内が発症すると考え、根本的な歩行改善に取り組んでいます。
靴を履かずに素足の生活をしていても、歩き方が悪ければ親指の側面は地面からの圧力を受け続けます。
素足やサンダルの生活をしていても外反母趾になるのは、このような『悪い歩き方』をしていることが原因と考えています。
上の画像は歩行改善指導前・後を比較したものですが、本人が意識して歩行改善に取り組むことで、素足の状態でも過回内歩行を根本から矯正させることが可能となります。
メカニズム1. 『悪い歩き方』による地面からの過剰なストレス
外反母趾の方は親指をさらに小指方向に曲げてみれば分かりますが、親指を外反方向に曲げただけでは痛みが出ることはありません。
当院では外反母趾の痛みの原因を「親指が曲がってくるから」ではなく、『悪い歩き方』によって親指のつけ根にストレスが蓄積された結果と考えています。
時々、歩いていない時でも患部がズキズキと痛む方もいますが、長時間の歩行の後に発症するものが多く、この症状も歩き方に原因があります。
外反母趾の変形は親指の曲がりばかりに意識を向けがちですが、親指のつけ根を横から観察すると、そのほとんどが太く膨らんでいて、急性炎症の腫れとは違い骨が膨隆しているような硬い触感があります。
この状態は、毎日の歩行で親指のつけ根が地面に叩きつけられ・体重を支え続けることで、親指のつけ根の骨の骨膜や毛細血管が破壊され骨化した結果と考えています。
外反母趾の痛みを改善させるためには、『悪い歩き方』をやめて親指のつけ根にストレスを蓄積させない歩き方に変えることが必要なのです。
※骨化するのは経過の長い外反母趾のケースで、若年層のつけ根の太さは炎症によるものが大きいと考えています。
メカニズム2. 過回内歩行による靴からの過剰なストレス
外反母趾になる方は親指のつけ根の部分で地面を蹴り出すように歩いているため、足部が縦アーチを潰すように内側に捻じれ(過回内)ます。
足部が内側に捻じれることで親指のつけ根(特に側面)が靴から過剰なストレスを受け続けるため痛みや炎症を起こします。
歩行改善に取り組んで変形がまだ改善していないにも関わらず、今まで痛くて履けなかった靴が履けるようになるケースは、過回内歩行が矯正されて親指のつけ根が靴からの過剰なストレスを受けなくなるからだと考えています。
外反母趾以外にも足のトラブルには内反小趾・開張足・タコ・魚の目・ハンマートゥや足の各所の痛みがありますが、これらも悪い歩き方が原因です。
ですから、これらの足のトラブルもテーピングやインソールでサポートするだけでは、根本的な改善になかなか至らないのです。
外反母趾研究所・東京本部ではこれらの足のトラブルに対して、『ゆりかご歩き』という歩行改善法を用いてアプローチをしています。
外反母趾の施術を積極的に行っている当院では、外反母趾の痛みが出てしまう前の予防にも力を入れております。
子どもの頃から早めに歩き方の改善をすることで、外反母趾の変形を防止することができ、足指の脱臼や痛みを感じることなく、快適に歩き続けることができます。
外反母趾研究所は外反母趾の原因となる悪い歩行については、足首から下だけに問題があるとは考えておりません。
膝や股関節の動き・重心の移動・ボディバランスなどの体幹の使い方も含めた総合的な観点から歩行分析を行い、個人に合った歩行改善指導を行っています。